田原本の歴史的並み・家並の保存と活用をめざすまちづくりの会
たすきの会
移動

田原本商家の引札

   
  明治・大正年間の田原本町・商店 引札

この折込広告は平成225月頃、田原本町の旧家の所蔵品の中から見つかった明治年間の田原本町各商店の引札で、この旧家は、中街道に面した町屋で、書院は17c中頃の桃山時代風書院で国指定・重要美術品にしていされている。 この旧家に所蔵されていた田原本町各商店の引札は、洋紙の多色刷で、約B4サイズ(横365㎜×縦245㎜)21種類・23枚、約B3・B4中間サイズ(横450㎜×縦350㎜)2種・2枚、B3サイズ(横520㎜×縦380㎜)1種類・1枚の総数24種類・26枚で、商店業種は呉服商4店・6枚、砂糖商2店・3枚、牛乳搾取販売商1店・2枚、生魚商2店・4枚、乾物・青物商1店・4枚、茶商1店・1枚、菓子商1店・1枚、雑貨商1店・2枚、履物商1店・1枚、金物商1店・2枚の10業種商15店である。この商店の折込広告の制作年は、この26枚の中に、市場(現市町)生魚商・「魚太店」の広告の左端に文字が半才されて「明治廿四年七月十日印刷仝年八月参拾日發行印刷兼發行者大阪市東區備後町三丁目廿七番屋敷平民古島竹次郎」と印刷 されているのと、もう一枚、市場(現市町)荒物塩魚青物ニ諸漬物問屋「大五事岡本舗」の広告の左端に「明治四十四年七月十日印刷仝年八月参拾日發行印刷兼發行者大阪市東区京橋壱丁目廿九番地平民古島徳次郎」と印刷された2枚がある。 

その他、年号はないが、味間町の金物商・樫庄事 桝田商店」の広告に、明治天皇と日本赤十字総裁の皇后や赤十字病院船の広告、又、田原本分署前 履物商・たる清事 橋本商店の「シベリア出兵」の引札は大正7年(1917)等から、これら広告は明治中頃から大正時代のものと思われる。

これらの広告がこの時期に多く配布された頃の田原本の各商店街は、明治20年に、大阪から奈良へ鉄道が開通し、それまで大阪から大和への物資の交易が、大和川の水運により、今里浜より、田原本問屋町へ物資が集積され、大和の各町村へ集配されたが、大阪から奈良へ鉄道の開通により、田原本問屋町の経済が衰退した時期で、これが王寺(法隆寺)から田原本への鉄道・大和鉄道開設運動が行われた次期と重なる。その後、大正7年(1918)大和鉄道が開通し、田原本問屋町も徐々に復興していく。この、田原本問屋町の衰退期に、商売の繁栄のために、これら広告がこの時期に多く配布された可能性がある。 又、この引札の時代判定の参考になるのが引札の地名で、①和州 1、大和国  1、③ 大和 6、 ④ 磯城郡 6、⑤ 田原本分署 1、 ⑥ 電話 2 であろう。   和州の呼称は、江戸時代に全国66ヶ国の国名の2文字の内一字に州を付け一般に使われていて、  大和国は和州と呼ばれていた。この引札は明治時代のものであるが明治になっても一般に使われていた。② 大和国、③ 大和の呼称は①の和州と同じく、明治になっても一般に使われていた。

大和国 ⇒ 奈良県 日本書紀の神武記に日本(やまと) 大倭国(やまと) 大化改新(645)国郡制より成立 ⇒奈良県 慶応四年(1868) 奈良県 ⇒ 奈良府 明治元年(1868) ⇒ 奈良府 ⇒奈良県 明治二年(1869) 奈良県 ⇒ 堺県 明治九年(1876) 堺県 ⇒ 大阪府 明治十四年(1881) 奈良府 ⇒  奈良県明治二十年(1887) ④ 磯城郡  十市郡 ⇒ 磯城郡 明治三十年(1897) ⑤ 三輪警察署・田原本分署 明治十年(1877)~大正14年(1925) ⑥ 田原本町に電話開局  明治四十一年(1908) ⑦ 田原本村 ⇒ 田原本町 明治22(1889) 今後、これらの引札を詳細に検討して、明治中頃から大正時代の田原本問屋町の経済を検証してみたい。

 
新商店
新商店 細井商店 細井商店 松原商店
1「万新商店  2「万新商店  3 細井商店  4 細井商店   5 松原商店  
福□□商店 橋本商店 橋本商店 吉岡商店 桝井惣平
6∧福 
福□□商店
7 山た たる清
 橋本商店
 
 8 橋本商店 9菓子万 吉岡商店  10∧サ 
桝井惣平
 
魚太店 魚太店 刀弥太吉 刀弥太吉 岡本鋪
11 魚太店   12 魚太店  13「太
「太事刀祢太吉
 
14「太
「太事刀祢太吉
 
15 大玉事岡本舗
五大五商店 五大五商店 菓月堂 菓月堂 玉水園
16∧五
∧五大五商店
 
17∧五大五舗  18 ∧五大五舗   19 菓月堂 20「イ玉水園 
廣瀬順生軒 廣瀬順生軒 松村正價堂 桝田商店
 21 廣瀬順生軒 22 廣瀬順生軒   23<孝>
松村正價堂
25 桝田商店
1「万
「万新商店
365245  材木町517 呉服・畳商   呉服太物洋反物畳表上敷類一式幷畳仕入承り 磯城都田原本町 金縁額装に富士山に龍鷹学籍落款   額装左備考あり、年代 明治30年(1897)以降  
2「万 
「万新
 
365245  材木町517 呉服・畳商   呉服太物洋反物畳表上敷類一式幷畳仕入承り 磯城都田原本町 正月風景母と息子・三河万歳  年代 明治30年(1897)以降
3 Ⅹ二  井商店  365245  和州田原本町  呉服商卸小  関東呉服太物各種商卸小売商  明治22年(1889)以降
4 Ⅹ二  細井商店  450×350   和州田原本町  呉服商卸小  呉服太物洋反物各種おろし商   パルメットに花柄・金縁模様の額装    明治22年(1889)以降
5   松原商店  365245    根太口526呉服・古手商    呉服太物幷に小袖古手留ゐ日の出・松に鶴 鷹挙落款
6 ∧福 
   福もと商店
380260   材木町518    呉服商  呉服太物商幷に嫁入着物こたち類各種   大和田原本材木町 衣桁に嫁入衣裳・福助
7 山た たる清
    橋本商店
380×260八幡町711 
 8   橋本商店 380260
9菓子万吉岡商店 380260 呉服太物洋反物畳表上敷類一式井畳仕入東リ 砂糖・菓子商内外砂糖米利堅粉びリケンコ)商菓子掛物販売家 2
10∧サ さとの
    蜘桝井惣
450×350鰍14⇒八晰5順糖・菓子南砂糖南米利堅粉びリケンコ)井商菓子るゐ
11 魚太膚 謝×260柵(棚6 生魚商 生魚塩魚干物漬物類洋酒卸小売
12 魚太店 380×260柵(市場)646生魚商 生魚塩魚干物漬物類洋酒卸小売
13「太
 「太事刀祢太」
3紬×26。八幡町71。生魚商 芸1112の広告の左端に文字が糠れて「明鮒四年」
14「太
 「太事刀祢太口
380×260八幡町710 生魚商 生魚商
15 大玉事岡本舗 3紬×260柵(市場)653甫売物問屋寓荒物塩魚青物井二諸紙漬物神屋具るい野道具一式問屋 上記恥15の「大五事岡本軌の広告の左端に「明治四十四」
16∧五∧五大五商店  380×260市町(市場)653諸乾物問屋諸乾物問屋 電話十一番
17 ∧五大五舗
18 ∧五大五舗
19   葉月堂
20「イ玉水園
21 廣瀬順生軒 380×260郭内848 牛乳卸小売牛乳搾取販売卸小売
22 廣瀬順生軒 380×260郭内848 牛乳卸小売牛乳搾取販売卸小売
金属製取手付丸型牛乳容器を置いている
23◇孝松村正債堂 360×25材柵93 時計舶来雑内外時計舶来雑貨商正札厘毛まけ奈し(1厘も負けなし)郵便為替手数料、電信郵便為替手数料、小包郵便料金表、又 藁鞋履き、右肩より「郵便局」と書いたガマ口金具の肩掛けが
24◇孝松村正債堂 380×260材木町493
25「百樫庄」事
    桝田商店
370×255味問町513
26「百樫庄」事
    桝田商店
 520×380味間町513
コピーライト